11/12(火)、文教・子ども委員会が開催されました。
学校給食の牛乳を来年度から紙パックに変更する旨の報告を含め、9項目の報告事項がありました。その中でいじめ、不登校、小学校での自閉症・情緒障害特別支援学級 についての3点をご紹介します。
まず1点目は今年度前期の区立学校でのいじめの状況について。H29年度から統計のある「社会通念上のいじめ」が33件(前年は38件)、「法令上のいじめ」(※)が593件(前年は883件)とのことでした。これらの数字はあくまでも区立の小中学校から報告された数字であるため、実態をどこまで正確に表しているかはわかりませんし、例えばいじめが起きていても、現場が報告をためらえば数字は減少します。「法令上のいじめ」もいじめ防止対策推進法の改訂に合わせて昨年から数字が出ているものであり、周知の度合いが昨年と異なる可能性もあります。
教育委員会側の説明の通りでもありますが、実感としては後述の不登校の増加から、潜在化した事例が多くあるのではないかと思います。早期発見は既に教育委員会側も強く意識しているところではありますが、現場が委縮せずに丁寧に報告する土壌を今以上に耕していくことも必要かもしれません。
2点目、不登校については今年度前期の目黒区は小学校で41件(前年は28件)、中学校で62件(前年は41件)と、前年度から大きく増えています。要因を前年比較でみると小学校では「無気力」や「不安」の傾向、中学校では「学校における人間関係」に課題を抱えていたり、「不安」の傾向がある場合が多くありました。状況としては「いじめを除く友人関係をめぐる問題」や「学業の不振」によるものが特に多くなっています。
全国や東京都の不登校児童生徒の割合は年度を通しての数字しか出ないため比較はできませんが、最近では小学校での道徳の教科化、英語教育やプログラミングの必修化など、現場の教員の負担も大きく増えています。教員の体調不良による長期の休業も増えており、子供たちの面倒を丁寧に見る余裕が失われつつあるような気がしてなりません。「学校が楽しくない」と感じる児童・生徒も増えており、即効性のある処方箋はなかなか思い浮かばない状況です。
1点目と合わせて、他の委員からも非常に多くの質問が出ました。目黒区では不登校の児童・生徒が通える施設や在宅でも学習ができるeラーニングも導入しています。いじめの早期発見や防止、学業でのつまずきへのフォローといった、不登校の児童・生徒が増えないようにする施策ももちろんですが、こうした不登校の子どもたちへの学習環境の整備も引続き充実が求められます。
一筋縄ではいかないこれらの問題、ぜひ様々なかたの知恵を頂けたら幸いです。
3点目は「小学校における自閉症・情緒障害特別支援学級の設置に向けた進め方について」というタイトルの報告でした。区内では目黒中央中学校には「しいの木学級」がありますが、小学校には情緒障害等の固定学級がありません。今回の報告ではR3年度から、特別支援教室の拠点校であり、地理的にも中央に近い五本木小学校に設置する旨の報告がありました。通級を望む場合は保護者の送迎が必要となりますが、当該の児童は区内全域から通うことができます。インクルーシブ(障害のある子どもも普通の学級で!)を望むかたや、逆にきめ細かい支援を望むかたもいる中で、選択肢ができたのは良いことなのではないか、と考えます。特別支援教育推進計画の改定に関しては12月2日までパブリックコメントを実施しています。
ご意見があればぜひ以下のアドレス(目黒区のパブリックコメントのページ)または私、橋本まで!
https://www.city.meguro.tokyo.jp/smph/gyosei/hirakareta/public_comment/comment_boshu/index.html
※「法令上のいじめ」は被害者側の「児童等が心身の苦痛を感じているものをいう」(いじめ防止対策推進法第2条)ため、様々な行動が「法令上のいじめ」に該当する可能性がある。
目黒区公式ホームページhttps://www.city.meguro.tokyo.jp/smph/gyosei/hirakareta/public_comment/comment_boshu/index.html