文教・子ども委員会視察2日目

10/23(水)~25(金) 文教・子ども委員会視察、2日目は養父市(やぶ、兵庫県)。 給食センター及び建屋小学校(小規模特認校)を視察。食べ物に関わることでついつい長く、また乱文となってしまったが、備忘録も兼ねて記したい。

さて目黒区の給食は各校で作っているが、養父市ではセンター方式。2,500人分のキャパシティがあり、現在は市内小~中学校の約1,900人分を作る。市町村合併を機に、合併前の4町がそれぞれ抱えていた築30年以上のセンターを統合し、H26.12に完成。
H31に全国より厳しい兵庫県版HACCP認証を受けたほか、昨年は全国学校給食甲子園でも優勝した実績を持つ。

ハード面では取扱い(?)規模が大きく、近年の世相を反映しており、非常に衛生的かつ効率的に作業を行える印象。また食育の観点からか、会議室からは施設(一部)の見学もできる。
衛生に関してはエリアごとに出入口があり、ここで靴やエプロンを替える(色も違うので間違えたらすぐわかる!)。非加熱の野菜、非加熱の肉や魚、加熱済みの食べ物、食器の洗浄室、少なくとも4つ(たぶん…)のエリアがある。日本の多くのスーパーでは同じ服や靴で売場やバックルーム(畜産および水産、ならびに農産も含む)を往来できてしまうことが多いが、ここではウイルスや細菌の繁殖を徹底して抑え込める先進的な仕組みがある。スーパーの衛生管理でも基本だった「つけない、ふやさない、やっつける」という原則を思い出した。
作業効率に関しては食洗機やジャガイモの皮剥き機や回転釜など、様々な機材が導入されている。建設時に人手不足や人件費高騰を意識したかどうかはわからないが、「規模の経済」が働くからこそ、こうした設備が導入しやすいのだと思う。

ソフト面では衛生(異物混入や掃除)と流通(鮮度、分量)について書きたい。
衛生については30分ごとにチャイムが鳴り、手袋の破損をチェック。(ほとんど起きないが)破れていれば30分間の工程を全てチェックし、破片(?)が見つからなければ当該の食品は全て廃棄となる。
また流通については農水省の指針に基づいて地産地消を意識し、市内で採れた農産品が重量ベースで27.3%(H30年度)、それ以外にもほとんどのモノは兵庫県内で作られているとのこと。仕入元を尋ねたところ「フルーツの里やぶ」や近くの市場(しじょう)を主に活用しており、一次産業も盛んな地域と言う特性を踏まえると中間物流の経路は短そう。実際に建屋小で頂いた給食、野菜の鮮度も比較的高く、分量も都会より多く(同じコストでもたくさん食べられる?)感じた。

こうして調理された給食は10:50までにセンターから搬出される。これだけおいしければ残す量が少ないのも納得で、廃棄量はたった4g(/人・日)! もちろん年度の始めに各学級の生徒の体重から配缶量を決めて半年後に検証するという工夫もあるが、特に今年度は2gまで減少したとのこと。

次の視察地は養父市の小規模特認校(但馬地域初!)に指定されている建屋小学校。小規模特認校は学区内に加えて市内在住であればどこからでも通学できる学校で、遠い児童はバスで20分ほどかかるそう。市内の建屋小(旧)と三谷小が統合し、H17に開校。当初120人ほどだった全校児童は現在44人、児童ひとりあたりにかけるリソースは充実している。英語教育と演劇に力を入れていることのほかに、避難所としての機能も印象に残った。

英語に関してはALTの常駐や英語の掲示物(児童の手作りや先生による)、放送(普通の放送の後にALTが続けて)、加えて5~6年生は年間20回ほどネットでフィリピン在住のかたとの英会話の機会もある(!)。演劇については兵庫県立の劇団員による指導を通してコミュニケーション能力の向上を図るそう。

避難所としての機能に関しては、体育館から家庭科室、それ以外の教室へ続く通路にそれぞれ鉄扉(てっぴ、計2ヵ所)があり、避難状況に応じて開閉ができるとのこと(この扉は地域への体育館の解放を行う際にも使える)。
以前に新聞報道で被災地の避難所で教員の負荷が増え、また授業の実施にも支障をきたしたという記事があったが、これなら被災時でも学校のセキュリティがある程度は確保できそう。
阪神淡路大震災の反省を活かした実例、目黒区内で学校の建替えがあればぜひ参考にして頂きたい!

過疎化の対策を進める養父市、頂いた資料によれば市街からの移住にも力を入れている様子。不妊治療への補助や大学進学者への支援、中3までの医療費全額無料(これだけは財源が市内に留まらないことや市場のゆがみを考えると少し眉をひそめる部分もあるが)、様々な住宅支援制度もある。

地域の活動や消費、納税の大きな担い手でもある現役世代の確保、十数年後から急速な高齢化が予想される目黒区も他人事ではなくなる。
こうした地域と比べてしまうと23区では産業や移住に関わる政策への比重が小さく見える。翌日の視察地は市街からの移住政策の目玉(のひとつ?)に掲げる淡路市。ダイエーでの勤務を通じていくつもの街を見てきた人間として、地域経済の発展という視点からもヒントを得たい。

2日目の視察、ありがとうございました!